夏の思い出
残暑お見舞い申し上げます。
まだ私が小学校低学年の頃、毎年夏休みは祖父母のいる福岡に行っていました。寝台特急あさかぜ1号で東京駅を18時頃に出発し翌朝10時頃に博多駅に着きます。東京駅を出発するとすぐに夕食です。いつもチキン弁当を食べていました。冷凍みかんがデザートです。就寝の時間になると係りの人が来てベットを作ってくれます。その手際のよさに見とれていました。消灯になっても興奮して寝付けなくてずっと車窓を眺めていました。真夜中に知らない駅の薄暗い照明が通り過ぎていくのが幻想的でした。朝8時頃、関門トンネルをくぐり抜け門司駅に着くと当時でも珍しかった蒸気機関車を見ることができました。祖父母の家での生活は、朝早く起きて(なぜか休みだと早く目が覚めます)犬を散歩に連れて行き、従兄弟が来ると近くの九電記念体育館のプールで泳ぎ、昆虫採集をし、公園で遊び、みんなで風呂に入ってご飯を食べて寝る。欄間から漏れる光に照らされた天井の木目が様々なものに見えてきて、柱時計のゆっくりと時を刻む音を聞きながら、なかなか眠れないと思っているといつのまにか朝。こんな毎日でした。お盆になると迎え火でご先祖様をお迎えします。仏壇には野菜のお供え物があります。鬼灯の実を丁寧に揉み解し中の種を慎重に取り除き、袋状になった皮を口に入れて鳴らします。蚊取り線香の香りが夏の香りでした。蝉が「ミーンミンミン」「ワシワシワシワシ」「ツクツクホーシ」と鳴いていて、道を歩くとミチシルベが案内をしてくれ、家の壁にはかべちょろが這っていました。(何だかわかりますか?)真っ黒に日焼けして、皮が剥け始めると破けないように大きく剥くことに夢中でした。当時はクーラーなどなく扇風機と冷たい麦茶が体を冷やしてくれました。カルピスがたまに飲める贅沢でした。いつも暑くて日差しが眩しくて空が青くて雲が白くて蝉がうるさいくらいに鳴いている夏。子供の頃の思い出です。今でも蝉の声を聞くと当時を懐かしく思い出します。
みなさん 最近は猛暑が続いており暑さを楽しむどころではありません。水分を十分に捕って熱中症気をつけ夏を乗り切ってください。